夏に多い膿皮症

皮膚病は病院に来院される理由でとても多い疾患で、今回はその中でも特に夏に多くなる膿皮症についてご紹介します。

1.膿皮症とは

 膿皮症とは、ブドウ球菌により引き起こされる細菌性の皮膚炎です。
 ブドウ球菌は常在菌といって健康な皮膚にも存在する細菌ですが、体の抵抗力や皮膚のバリア機能が低下しているとブドウ球菌が異常に繁殖し、膿皮症を発症してしまいます。

2.症状

 膿皮症では感染部位に痒みを感じ、体をかきむしったり舐めたりする行動が多く現れます。
 見た目では以下のような症状が出てきます。
 ・皮膚の表面に赤い湿疹や膿のある水疱ができる
 ・フケ、かさぶた、脱毛ができる
 ・皮膚がめくれる
 細菌感染が皮膚の深部で起こってしまうと、患部が赤や紫色に変色して腫れ、血や膿が滲み出てきてしまうこともあります。これは痛みを伴うので、発熱や食欲不振などの全身症状につながることもあります。
 顔、脇、股、お腹、背中、指の間などいろいろな場所で発症してしまい、舐めたり噛んだり引っ掻いてしまうことで症状が悪化してしまいます。

3.原因

 普段は免疫によって健康に保たれている皮膚ですが、不衛生な環境、ケガ、栄養不足、ストレスなどで皮膚のバリア機能が低下すると細菌感染を起こしやすくなってしまい、膿皮症を引き起こします。
 また、その他にもノミやダニなどの寄生虫、カビ、酵母、外傷、糖尿病やクッシング症候群などのホルモン異常、免疫不全疾患などがあると膿皮症を引き起こしやすくなります。

4.治療方法

 膿皮症の治療は程度にもよりますが数週間~数ヶ月ほどかかります。方法は主に抗生剤の投与(塗り薬・内服薬・注射)や薬用シャンプーになります。
 薬用シャンプーは動物病院で処方されるもの(消毒作用のあるシャンプー)を使用して、良くなるまでは週に2回程行います。
 内服薬を使用する場合は、再発や耐性菌の防止のために自己判断で投薬を中止しないことが大切です。
 注射は内服薬に比べると高価になりますが、効果が長続きするのでお家で投薬をしなくても良いというメリットがあります。1ヶ月効果のある痒み止めの注射もあり、抗生剤の注射と一緒に使用することによって治療効率を上げてくれます。
 また、噛んだり引っ掻いたりしてしまうと皮膚のバリア機能が再生されず病状が悪化してしまうので、症状が重い場合はエリザベスカラーの着用を推奨します。

5.予防方法

 定期的にブラッシングやシャンプーなどのスキンケアをして皮膚の健康を保ちましょう。ブラッシングは1日1回、シャンプーは2週間に1回程度がおすすめです。
 また、わんちゃん猫ちゃんが嫌がらないのであれば背中やお腹などの毛をかき分けて皮膚の状態をチェックしてあげることも大切です。

 体を痒がるような素振りや上記の症状があれば一度ご来院ください。