手術時に使用する医療機器の紹介

当院では手術をする際ellman社製のサージトロンを使用 しています。

今回は手術で使用するメリットをご紹介していきます。

ellman社製のサージトロンにはいくつかのデバイスがあり、当院ではモノポーラ・バイポーラ・バイクランプのデバイスを使用しています。



【モノポーラ】

モノポーラは通称電気メスのことで、電流をメス先から流すことで背中に置いた対極板を通り電気メスに戻る仕組みとなっています。

従来の物より高い周波数のものを使用しているため、感電や火傷のリスクが低いです。

狭い範囲のみ熱が伝わるためより繊細な操作が可能となります。

切開した部分が焦げる心配も少ないため、傷も非常にきれいに治ります。

止血しながら切開することもでき、皮膚腫瘍や乳腺腫瘍などの手術で活躍してくれます。



【バイポーラ】

ピンセットのような形をしており、挟んだ部分のみ発熱するため組織損傷を最小限にとどめることができます。

毛細血管などの細かい血管などの手術で活躍してくれます。







【バイクランプ】

鉗子のような形状をしており挟んだ部分に電流が流れ、熱で焼き切ります。

避妊去勢手術時の子宮や精巣を摘出する時にも使用でき、糸で縛って摘出するよりも出血のリスクが減ります。

【メリット】

血管や組織の結紮をするために縫合糸を使用すると、身体にとって体内にある縫合糸は異物になり、稀に縫合糸に組織が過剰反応することによって「縫合糸肉芽腫」になる場合があります。

電気メスを使うことで血管の止血や組織の切り離し時に縫合糸を使うことがなくなり、できるだけ体内に糸を残さず手術が行えます。

電気メスを使用することで手術の安全性と効率が上がり、手術時間を短縮できるようなります。